人間関係の構造と手立て
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会社員の哲学[増補版]
柿内正午
赤の他人に親切にすることはいかにして可能か。
『会社員の哲学増補版』から三年後の理論的到達点。
生活は理屈では回っていない。
しかし、理屈は大事である――
力あるものが強いのだという身も蓋もなさがいやます現代。属性や肩書きという記述可能な「特殊性の束」としての「私」の専制によって、言葉では記述し尽くせない固有の〈私〉の素朴な生の実感が押し流されていくようだ。
本書は、気鋭の「生活者」である著者が哲学、人類学、社会学の知見を縦横無尽に「密猟」し、あらゆるスケールにおける人間関係の「構造」を鮮やかに描き出す。二者間の相互性からいかにして三人称的な「規範」が立ち上がるのか。その構造を把握したうえで私たちが講じることのできる、諸関係の不全をときほぐし日々を楽しくやっていくための「手立て」とはいかなるものでありうるか。
読み書きによる孤独なマイペースの鍛錬と、他愛のない「おしゃべり」によるその調整。絶え間ない往復運動として恋愛、家族、友情、会社そして社会という人間関係の各場面で、社会的な「私」に飲み込まれずに固有の生を享受する〈私〉の領域を保持するための実践的な図式が示される。
他者とズレながら、それでも共にあるために。独善的な引きこもりでも、無防備な同調でもない道を探り、「格好つけて転び続ける」ための手引き。
新書判 / 112P / 並製
発行/ 零貨店アカミミ
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