2023/10/30 15:59

こんにちは! リモートブックス スタッフのYです😊

先日、当店初めて(!)のイベントとなる読書会を開催いたしました。

読書会の告知画像


当日は秋晴れの良いお天気に。初めてのイベント開催にちょっと、いえ、かなり緊張しながら会場を設営。

会場には当店併設のレンタル会議室「リモートベースroom2」を利用しました!
アットホームな雰囲気の落ち着くお部屋なんです✨

https://remotebase.jp/introduce/room2/


参加者が集って、いざ開幕!

 今回の読書会には5名の方がご参加くださいました。まずは軽く自己紹介から。
お名前とご参加のきっかけ、お好きな本のジャンルなど自由に話していただきました!
なんと読書会が初めてという方も2名いらっしゃいました。私も初めて読書会に参加した時はかなり緊張していたはず……(*_*)
勇気を出してご参加いただき本当にありがとうございます。



本について語る人は、いきいきしている。

まずは主催である私から、次の5冊を紹介。
いまここ』(谷川俊太郎、川内倫子/torch press)
うたうおばけ』(くどうれいん/講談社)
苦界浄土』(石牟礼道子/講談社)
みなまた海の声』(石牟礼道子、丸木俊、丸木位里/小峰書店)
悪童日記』(アゴタ・クリストフ、堀茂樹訳/早川書房)

 もし人数が少なかったら時間が余ってしまうかも……!? と若干不安になって多めに用意しましたが、明らかにちょっと多かったです(~_~;) 次回の持ち込み型読書会ではもう少し絞りたいところ。
それでも美しい写真詩集『いまここ』を入れたことで重くなりすぎず、ちょうどいいバランスになったかも? とちょっと自画自賛しておきます。



 お次の方のご紹介は、『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ、千野栄一訳/集英社)。
今年7月に亡くなられたクンデラは、ソ連統治下のチェコスロバキアから亡命しフランスで執筆を続けた作家です。私の紹介したクリストフとは、偶然の亡命作家繋がりでした。
背景に占領下の時代背景がありつつも、情熱的な恋愛が中心となっているという本作。「最後は犬小説になるので、犬好きにはおすすめです!」というオチもつけて紹介していただき、とっても気になる本です✨


 さて、次の方にお持ちいただいたのは、新書と少女漫画という対照的な2冊です!
人類はふたたび月を目指す』(春山純一/光文社)
嘘解きレトリック』(都戸利津/白泉社)
 前者は日本の月探査「かぐや計画」に携わった春山さんによる著書。撮影不可と言われていた月の極にあるクレーターの撮影を、日本の技術力を集結して見事達成したプロジェクトグループ。その奮闘がありありと描かれとってもワクワクする一冊とのことでした!
 一方の『嘘解きレトリック』は、昭和初期を舞台にしたミステリー作品。主人公の少女は「嘘を見抜く」能力を持つことで様々な事件に巻き込まれていきます。ご紹介いただいた方曰く、「少年漫画にはミステリーは少ないけれど、少女漫画には多い」とのこと。それは完全な盲点でした!!


さて、途中で一度小休止を挟み、後半戦です。ここからは「読書会初体験」の方によるプレゼンが!

「持ち運ぶために文庫をよく買っている」という話にみなさん大いに同意したところで、ご紹介いただいたのは次の3冊。


モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(内田洋子/文藝春秋)
クララとお日さま』(カズオ・イシグロ、土屋政雄訳/早川書房)
光をえがく人』(一色さゆり/講談社)

 実は当店にもしばしご来店いただいているお客様。最初の『モンテレッジォ』はなんと当店でお買い上げいただいた本でした!
さらにこの本からアンテナを伸ばすようにしてイタリア関連の本を読み始めたという、書店員冥利に尽きるお話をしてくださいました……( ;∀;) こんなに嬉しいことが、あるでしょうか!
 2冊目、3冊目は私も読んだことのない作品です。『クララとお日さま』の現代的なテーマに、「アートを取り上げればこの人!」と参加者さんに言わしめる一色さゆりさん。カバーも美しく、どちらもとても気になる作品でした✨


 続きまして、こちらも読書会初参加の方。ご紹介いただいた本は『はかれないものをはかる』(工藤あゆみ/青幻舎)。
「疲れたときにも読めて、ふっと気が楽になる本」との説明の通り、ゆるーいイラストがクスッと笑えるような作品です。「積み重ねたいいわけのもろさ」や「叶えたい願いのリストの長さ」などなど、普通には測れないものがたくさん紹介されるのですが、そんな中で最後に一つ出てくるそれでも「測れないもの」にハッとさせられる一冊です。




 さて、最後の参加者さまからご紹介いただいたのは、こちらの3冊。
ちいさな木』(角野栄子作、佐竹美保絵/偕成社)
畏れ入谷の彼女の柘榴』(舞城王太郎/講談社)
エディ、あるいはアシュリー』(キム・ソンジュン、古川綾子訳/亜紀書房)

 『魔女の宅急便』の著者陣による絵本、「ちいさな木」は緑の鮮やかさがとっても素敵な絵本。動けないと思っていた木のところに「自由な犬」がやってきて……? 「ストーリーは大きく展開しないけれど、ずっと後になって『こんな本を読んでもらったな』と思い出すタイプの作品」というご紹介が印象的でした!
 今回ご紹介いただいた中で一番ストーリーが奇抜だったのは舞城王太郎。私も未読ですが、「なんだそれ!?」というようなぶっ飛んだ内容には参加者の反応も大きく、読書会にもピッタリ(?)。最後の一冊は韓国文学。お隣にもかかわらず、あまり読む機会がない韓国文学の魅力をたっぷり語っていただきました!



今回ご紹介いただいた本たち。こうして最後に撮影しておけば、「あの紹介で気になったけど、なんていう本だっけ?」という時に助かるのです。


やっぱり読書会って楽しい!!

 今回は私含め6名のご参加で、15冊(シリーズは1点カウント)の作品を紹介していただきました!
ご覧の通り、絵本に海外文学にノンフィクションにミステリー……と幅広いジャンルが集まり、とてもバランスの良い読書会になりました。
 読書会の魅力は、何といっても「自分が普段読まないジャンルと出会うきっかけ」になること。参加者の皆さま、ご紹介の仕方がとても上手で(全員書店員になれそう!?)、どの本も読みたくなってしまいました(*⁰▿⁰*)
また普段お店をご利用いただいている方の声を直接的にお伺いできたことは、今後の仕入れや棚づくりの参考にもなり非常に助かります。わたくしスタッフY、まだまだ未熟ではありますがリモートブックスをよりよいお店——何度も来たくなるような!——にするため邁進して参ります💪

今回ご参加いただいた皆さま、そして当記事をここまでご覧いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。


今後の読書会について
11月25日にはオンライン読書会を開催予定です。詳細はSNS等をご確認ください。
https://www.instagram.com/remote_books_base/
また、今後は店頭での読書会・オンライン読書会を月毎に交互に行っていきたいと考えております。
店頭では古典的な作品や少し変わり種の読書会、オンラインではより読みやすく、現代的なテーマの作品を取り上げるつもりです。今回のような持ち込み式の読書会も定期的に開催いたします。

(今回みなさまが紹介上手だったため、未経験の方には少しハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません! 読書会が安心して参加できるような場所になるよう努めて参りますので、お気軽にご参加ください)